時間の配分

まだ重力に逆らって
地面を踏みしめていない足の裏だったり

笑ったり泣いたりすると
生えたばかりの歯が白く覗いたり

ガラス玉みたいに
光を写す瞳を見開いたり

触れるもの全てを
口に運ぼうとする挙動だったり



それら全てを暫く眺めていたい

一緒に寝っ転がって
いつの間にか昼寝したりしたい



でもそんな時間は金を生まない

大体好きな事ってのは
金を生んじゃあくれない

ずーっとそうしていたら
いずれ一家で路頭に迷う事となる

自分が金をより多く稼がなければ
結果
家族を不自由にさせる可能性は高まる

どうすりゃいいのか
考えて繰り返して繋げなければ

虎視眈々と



とは言え

そんな娘と
同じ時間を過ごせる瞬間なんて
当然だが
その瞬間にしか無い

2度と来ない時間なんだ

能動的に対峙しないと楽しまないと
後でどうこう思ったって
取り戻せない時間なんだ

他の誰でも無い
今の自分にしか体験出来ない状況なんだ

それが如何に特別な事か
って事

そして
何を犠牲にして

それをしているのか
って事