映画 その4

今回は邦画
 
俺俺を視認
 
 
 
概ねの流れとしては
 
主人公が
オレオレ詐欺をしてしまった事を契機に
何故か自分と同じ顔の人間に
出会うようになる
 
増殖を続ける主人公の姿に
次第に自分同士とはいえ
受け入れられない部分が軋轢に繋がり
自分同士の削除が始まる
 
というもの
 
予告映像とその辺の粗筋の
発想が面白いなと思って
気になっていた映画だ
 
この映画のニュアンスに惹かれたのは
 
双子の人に対する
ちょっとした憧れのようなものを
自分が持っていたからだと思う
 
言葉がハモったり
同じ日に生まれて
似たような環境の中で育った為に
似たような感性を持っている
 
そんな関係への憧れ
 
要するに僕は
自分に似ている人に
会いたい願望が強いのである
 
身近な所にそんな人は
一切存在しないから余計である
 
合わせるのでは無く
 
たまたま好きなものが似ている人と
ただ話がしたいだけ
 
そしたら
さぞ楽しいんだろうなと
そう思う訳です
 
 
 
そんな願望が心を引き寄せた
この映画だが
 
設定自体は面白いけど
 
何故主人公が増え続けているのか
 
そこをどう見せるのか
 
説明するのか
 
それが物語を面白くさせる鍵というか
 
起承転結を貫く
重要な要素である筈なのに
 
理由には一切触れず
漠然と話が進んでいき
 
その面白そうな要素を
どう転がすか
と云う発想が見たかったのに
 
なんとなく殺し合いが始まり
 
全ての自分が消滅したのかも
よく解らないまま
 
どんでん返し風の結末を迎え
 
金を元の人へと謝罪して返し
 
主人公の心情に
少し変化が起きたような要素を
差し挟んで
 
何かのメタファーですよ的な雰囲気の中
 
ありガチな
笑顔のバストショットで終わる
 
 
 
脳男もそうだったけど
ラストシーンが微笑み
 
という持っていき方が
個人的にはなんだか
チープに見えてしまう
 
 
 
それともう一つ
 
カールじーさんに抱いた感想と
同じだったのだが
 
風船で家を飛ばす
 
という発想自体は素敵なのに
話の転がし方が適切でないと
折角の設定が勿体無いなと思ってしまう
 
もっと他に有ったでしょうと
 
僕の勝手な期待値に
映画が勝てずに終わる
 
叩きのめされたいのです
 
映画には